届いた商品には日本語解説書と帯がついたPROC-4007の記載がありましたが、本体は英語版で00289 478 5028 DHの番号でした。The Planets, PROC-4013, ASIN: B00W36PIKGとは違い96kHz/24bitデータのみで192kHz/24bitデータは入っていませんが、Dolby TrueHD対応、dtsHD対応になっています。DECCAのBlu-rayシリーズといっても全部同じデータ構成ではないので確認が必要です。このhigh resolution音源は音作りを感じない安心して聴ける点が特徴だとおもいます。よく吟味した大型システムで聴かないと一見メリハリが効いていない平板な音に聴こえる可能性があります。ダイナミック・レンジの広さとフォルテッシモでの余裕がうれしいところです。DECCA Classic Sounds CDやDECCA the Originals CD, ASIN: B002GKRSWKを聴いてみましたが高音域に縁取がついているようで荒く聞こえます。このhighresolution音源に近いのはDECCA Legends CD, ASIN: B00000JXZ2のように感じました。
KarajanのTchaikovsky Ballet SuitesにはDeutche GrammophoneにBerliner Philharmonikerとの演奏もありますが、そちらはmulti-microphone収録のために多数のmicrophone(MIC)相互の収録音の重なり(かぶり音による相互干渉)でテュッティで音が濁り、また各MIC間の距離による音の到達時間差を調整卓のタイムディレイシステムで修正しているにも関わらずアタックが生の音に比べて一致せず甘くなっています。このblu-ray audioに収められているDECCAの少数MICによる収録が好みです。
収録データは詳しく記載されていて、その一部を以下にお示ししますが、このころのmonitor speakerはTannoyだったのですね。
Swan Lake 1961年9月、The NutcrackerとThe Sleeping Beautyは1965年3月、Sofiensaal, Wienでの収録です。
Mixing Desk: DECCA builtとSiemens,
Microphone: Neumann M49/M50/KM53/KM56,
Monitor speaker: Tannoy Canterbury,
Monitor amplifier: DECCA built,
Recording machine: EMI TR90,
Recording tape: AMPEX,
Producer: John Culshaw,
Recording engeneer: Gordon Parry & James Lock,
Remastering: Andrew Wedman
KarajanのTchaikovsky三大バレエはBerliner Philharmonikerのものも、このWiener Philharmonikerのものも、素晴らしい演奏を楽しめます。Krajanはバレエ音楽も得意だったようで、Berliner PhilharmonikerとのLéo DelibesのCoppéliaやSylviaも気に入っています。Tchaikovskyの三大バレエはWiener Staartsoperでもしばしば演目として取り上げられ、私も幾度か現地で観劇する機会がありましたので思い出しております。Wiener StaartsoperオーケストラがWiener Philharmonikerの母体ですから、Staartsoperで聴いたballet音楽の響きはSofiensaalとは違うとはいえ、同じオーケストラが演奏する同じ曲の音をウイーンで聴いた記憶は、この音源を吟味するうえで貴重な体験だったと感じています。
再生環境がととのっていれば、これはお勧めです。そしてどういうわけか、このコストパーフォーマンスの良さは格別です。