暗殺のオペラ 2K修復版 [Blu-ray]
フォーマット | 色 |
コントリビュータ | ジュリオ・ブロージ, ベルナルド・ベルトルッチ, アリダ・ヴァリ |
言語 | イタリア語 |
稼働時間 | 1 時間 39 分 |
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商品の説明
巨匠ベルナルド・ベルトルッチと撮影監督ヴィットリオ・ストラーロが初めてコンビを組んだ幻の名作、ついに超美麗画質で日本初Blu-ray&DVD化!
●ボルヘスの原作に着想を得た幻のベルトルッチ初期傑作。
1971年のヴェネツィア映画祭でルイス・ブニュエル賞を受賞した本作、日本では1979年に劇場初公開、1991年にリバイバル公開されて以来、長らく幻となっていたが、2018年7月、ついに再公開され、大きな話題を呼んでいる。
長らく権利問題でDVDすらリリースされていなかったこの作品だが、ついにクリアになり、日本初のBlu-ray&DVD化が実現!
●名撮影監督ヴィットリオ・ストラーロの至芸を、2018年に完成したばかりの超美麗2K修復版で!
『暗殺のオペラ』は、その後『暗殺の森』『ラストタンゴ・イン・パリ』『1900年』『ラスト・エンペラー』『シェルタリング・スカイ』『リトル・ブッダ』で、ベルトルッチと多くの名作を生み出すことになる名撮影監督ヴィットリオ・ストラーロとの初コンビ作。
この傑作を2018年、ローマの名門スタジオ、アウグストゥス・カラーでオリジナル・ネガから2Kスキャニング&2K修復
「この映画が日本でBlu-rayになるなんて素晴らしいことだ。だってまだイタリアでも出てないんだからね」(2018年6月、ヴィットリオ・ストラーロ談)
●音声はシネフィル・レーベルのお約束、オノ セイゲンがマスタリング!
音質も最高。
●24ページ特製ブックレット封入!
・坂本龍一ロング・インタビュー「ベルトルッチ監督のこと、ストラーとのこと、そして『暗殺のオペラ』」
・解説:中条省平
・表紙:100%ORANGE描き下ろし
【ストーリー】
1960年代半ばの夏、青年アトス・マニャーニは北イタリアのタラという小さな町を訪れる。
彼は同地で1936年にムッソリーニを暗殺しようとしてファシストに殺され、その後町の英雄として崇められた男の息子であった。
父の死の真相を知るために、彼は町の人たちを尋ね歩くのだが……。
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : イタリア語
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 100 g
- EAN : 4988111154583
- 監督 : ベルナルド・ベルトルッチ
- メディア形式 : 色
- 時間 : 1 時間 39 分
- 発売日 : 2018/10/26
- 出演 : ジュリオ・ブロージ, アリダ・ヴァリ
- 字幕: : 日本語
- 言語 : イタリア語 (PCM)
- 販売元 : KADOKAWA / 角川書店
- ASIN : B07GJLFYHP
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 58,823位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 5,307位外国のドラマ映画
- - 5,483位ブルーレイ 外国映画
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上位レビュー、対象国: 日本
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画面の奥、ずっと向こうからやってくる列車。
シュルレアリスムのキリコやマグリットの絵のような、シーンと静まり返った町(タイトル・バックは「アントニオ・リガブエ」画集より)。
駅を出た彼、アトスJr.(ジュリオ・ブロージ)は、道を直角に曲がり、まっすぐ歩く(ふつうにに歩く感じじゃなく)。
「ターラだよ~!」ポーターのセリフ回しも印象的。
ふしぎな、非現実的空間を舞台に、ものすごく美しいヴィットリオ・ストラーロの映像が繰り広げる物語。・・・この町をすぐに去るつもりが、事件の(シェークスピアの『ジュリアス・シーザー』や『マクベス』から引用のような)「部分」に引っかかり、やがて、「こんなヒントになぜ父は気づかずノコノコと・・・?」と、探求の結果・・・「英雄」だったはずが・・・
「なぜ裏切った?」と、父への詰問のような彼のつぶやきへの答えはなく・・・と、はじめ、とても思ったけれど、原作(ボルヘス『裏切り者と英雄のテーマ』)を読み、本作再見するうちに、英雄と裏切り者はこんな具合に(たやすく)入れ替わり得ることを示したのか、と。
彼の訊ねたホテルの場所を、「あっちだ」「こっちだ」と、いつまでも言い争うふたりの老人。
ホテルの主は「そっくりだ! パパに。」と迎え入れるけれど、彼を見張るそぶりの者たちも。
彼をこの町へと誘ったのは、父の愛人だったというドライファ(アリダ・ヴァリ)からの手紙。
トンネルの先、緑の萌える庭に、年を経て入るが妖艶なドライファ。亡き父への思いをアトスJr.で再燃のようなシーン。
原作にドライファの存在はなく、「キルパトリック(←英雄or裏切り者)」の曽孫「ライアン」が、100年前のできごとの資料を元に調べたという話(←簡略化しています)。映画は、息子アトスJr.と父アトス、ファシストに暗殺された伝説的であまりに英雄な父を持った彼の「問題」を、ドライファを介して扱っています。
ドライファの強い眼差しと、スイカの真っ赤な果肉。
水底のようなブルーに沈むホテルの「馬小屋」(・・・というには、異様に広く感じる写し方の「馬小屋」)で、スカイの残りは雌雄のよくわからない?ウサギにあげて・・・詩と共に現れる少年の父は墓の下。閉じ込められた馬小屋・・・だれに? 彼をいきなり殴ったのはだれ? 「みんな友だち」とホテルの主はいうのだったが・・・少年のような少女は見張りなのか??
ドライファにからめとられるように「この町のとき」をすごし、やがて、あらかじめ仕組まれていたのか? あるいは、彼の父についての「探求」が、彼らのかつての「父への暗殺のオペラ」と・・・現在の彼を取りかこむ町をあげての「劇」・・・とても大掛かりな、その中に過去の「父の劇」を入れ子のように存在させる「今の彼への劇」を作り出させてしまったのか?
時の止まったような、けど、アトスJr.の出会う「現在」の人たちはちゃんと「老けて」いる。過去のシーンに、「老けたまま」この人たちは入り込み、アトスJr.とそっくりな(一人二役)父アトスと過ごしたシーンを見せる。過去が現在に入り込む、でもどっちでもよいと思う。
ドライファの告げた3名の「味方」と1人の「敵」。彼らから浮かぶ過去のシーンは、ミステリとしてもおもしろいが、彼らの中で合わせた可能性のある「辻褄」。客観的には語られていないと、わたしは感じるのだけれど・・・
(原作には、「この糾明の過程が物語の欠落した個所のひとつである」といった文章がはさまれていたりして。)
アトスJr.は、この「真相」を、(だれかが見つけ、それを言い広めることも父は考えていたかもしれないが)「言わない。なぜなら僕も共犯者だから。」と。
(言わないから「共犯」とも言える・・・が、それはともかく)
「これもまた予定されていたことなのだ」と・・・同じ「結論」についての原作のラスト。
映画のラストについて、「時間」の関連での解説を読みました。
はじめてこの映画を見た時・・・あまりに大きい父アトスに関わるアトスJr.の「問題」・・・ラストの彼の疲れ果てたようすに、彼の心象風景と見え、彼は「ここに」自分を閉じ込めたのか、と。
緑色のドライファの家・・・の他もすべてが夢幻的。
場所もときも宙づりのようなシュルレアリスム的光景。
何を直接示すのか、ちょっとわかりづらい「アイテム」にあれこれと魅了され、ベルディの「リゴレット」と(ミーナ/マルテッリのカンツォーネ)「イル・コンフォルミスタ」に酔う、とてつもなく美しい映画。
画面構成、それだけで満足でした。
これだけでも至福のひととき。
主人公の探求する真相探しは達せられたのか。
物語は現在と過去を転変して事実が明かされる。
しかし街の住民、老人たちが閉塞の中で事実が浮き彫りにされることを拒む。
事実とされるものは果たして真相だったのか、真実は解き明かされたのか?
主人公は、この狂おしさから街を去ろうとする。しかし列車は来ない。どころか、レールは古び、雑草が生い茂り、線路であることすら失われていく。彼は真相の妙界にとじ込まれ、街と閉塞の過去が支配する時空にとどまることを強いられたのであろうか。
ストーリーだけを追えば一見シンプルだが、実はかなり入り組んだ物語である。
若きベルトリッチ、ストラーロのカメラを得てこそ昇華された類いまれなる作品。
なんという至高の作品であることか。
今作は、イタリアの田舎町の乾いた空気を感じさせ、燦燦と照る陽光により褪せた漆喰の壁の色・寒さを感じさせる室内の照明など、陰影に富んだ画も印象的で、映像美を堪能できる名作である。
物語は、父親の暗殺の真相を探る青年の行動に加え、生前の父親の視点をも描き、真実を解き明かす流れになっており、クライマックスで真実にたどり着く構成である。しかし、この映画は、推理やサスペンスの色合いは払拭されており、どこかユーモラスな会話ややり取りに時間を割き、イタリアの風土や文化の映像化を目指したように感じる。そのため、推理ものとして捉える方は、興を削がれると思うので注意されたし。
出来る限り高精細の媒体での視聴により、今作のポテンシャルを最大限に活かせ、楽しむことができるであろう。
初期のベルトリッチの作品は音楽と映像のコラボが素晴らしい。確かに「ラスト・エンペラー」、「リトル・ブッダ」などでの坂本龍一とのコラボも素晴らしいが、初期の頃の音楽は作品に意味を持たせる使い方をしている。「ラスト・タンゴ・イン・パリ」で音楽を担当したガトー・バルビエリが絶賛していたのを覚えている。
物語は反ファシストの闘士アトス・マニャーニがムッソリーニ暗殺を企てるが失敗。その後にオペラ「リゴレット」を鑑賞中に殺される。同じ名前を持つ息子が暗殺のあった町に訪れ、真相を探るというもの。今回のテーマはオペラ。ベルトリッチは音楽に「リゴレット」ヴェルディのほかに、シェーンベルク、カンツォーネのミーナ等を使っており、作品のテーマと密接に絡み合う音楽も魅力の一つだ(ラストに使用した音楽に対する感謝の言葉が流れる)。
アトス・マニャーニ(父と息子ともに)や彼と反ファシズムの闘士仲間の3人、愛人ドライファ(アリダ。ヴァリ)は、過去も現在も同じ役者で同じ風貌(過去の映像でも若作りしていない)で登場する。これにより過去と現在を交錯させ、どこまでが過去なのか、どこからが現在なのか不思議な感覚に陥る。
そして、映像の美しさは最高。その後もベルトリッチと組む撮影のヴィットリオ・ストラーロは様々な構図を美しく切り取ってくれる。
反ファシズムの英雄の死の真相の衝撃も素晴らしいが、アリダ・ヴァリの存在、特に遠くを見るような視線が何ともいえない。
2K修復版の高画質でベルトリッチの初期の傑作を観ることができるのは、本当にうれしい。
ショットが山のようにあるのに。これでは、観たことが無い人は映画の内容を勘違いしてしまう。少しはCriterionを見習ってほしい。
ショットが山のようにあるのに。これでは、観たことが無い人は映画の内容を勘違いしてしまう。少しはCriterionを見習ってほしい。
途中から不条理な展開と成って行く所が、いかにもヨーロッパ流の演出なのか。
アリダ・ヴァリは「第三の男」の時よりも、この作品と「かくも長き不在」でしっとりとした
女の情念が感じられる出色の出来だったと思います。