ゴルトシュミット『ベアトリーチェ・チェンチ』全曲 エラート演出 デブス&ウィーン響(日本語字幕付) [Blu-ray]
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商品の説明
World Premiere recording on Video! Church corruption, human violence and a daughter who plots revenge on her abusive father - Goldschmidt's Beatrice Cenci has every ingredient for a gripping opera. At Bregenz, Johannes Erath brought Beatrice Cenci on stage for the first time. Although written 70 years ago, "one musically quickly associates Puccini or other Romantics" (Neue Zurcher Zeitung), underlined by Goldschmidt´s own words, saying it became a real "Belcanto-Opera". "Johannes Debus conducts the Wiener Symphoniker with true feeling for the score". "In the title role, Gal James is moving" and "the baritone Christoph Pohl has all the vocal charisma." (The Telegraph). A "brilliantly focused staging of a neglected work" (The Telegraph), a "great, wonderful evening" (Deutschlandfunk Kultur).
登録情報
- アスペクト比 : Unknown
- 言語 : ドイツ語
- 製品サイズ : 1.78 x 19.05 x 13.72 cm; 167.83 g
- EAN : 0814337015152
- メディア形式 : Blu-ray
- 発売日 : 2019/7/26
- 吹き替え: : None
- 字幕: : ドイツ語, 英語, 日本語, 韓国語
- 言語 : 英語 (Dolby Digital 5.1)
- 販売元 : C Major
- ASIN : B07S777QRV
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 231,900位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 65,578位ブルーレイ
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幸い、長寿もあって、存命中に再評価され、1990年代にはかなりの数のディスクも発売された。2作あるオペラも、いずれも1990年代半ばに初CD化されている。ドイツ時代の最高傑作「堂々たるコキュ」(1929-1930)と亡命後の作品である「ベアトリーチェ・チェンチ」(1949-50)だ。どちらもデッカの退廃音楽シリーズを主導したマイケル・ハースがプロデューサーを務めている(発売レーベルは異なるが)。
今思えば、1990年代の退廃音楽への着目はEU統合が深化し、通貨統合に向けて欧州が高揚し、自信を持っていたことも背景にあるのではないか。大陸欧州諸国の多くは2000年代初頭に同時多発テロの際も米国(というかブッシュ政権)には同調しなかった。そして、この頃は、珍しい作曲家の作品、有名作曲家の秘曲などが盛んに録音されていたように思う。自信と経済的余裕が、忘れられた退廃音楽の復権に寄与していたことはほぼ間違いない。このことは、リーマン・ショック(本来はフランスのパリバ・ショックが発端だ)後に、退廃音楽も含め新録音が激減し、過去の遺産を食いつぶす「大全集」的なボックスセット全盛となっている現状が、逆説的に説明している。こういった中で、ゴルトシュミットの新譜も滅多に見なくなり、再び忘れられた作曲家に逆戻りしてしまったように思われた。
ところで、ブレゲンツ音楽祭は、湖上のスペクタクルオペラやオペレッタで有名だが、実はそちらで稼いだ資金で、全然儲からなさそうな、グラウトの「オペラ史」でしかタイトルを見ない、しかし重要作をこっそりと(少なくとも日本人の目には触れにくい)上演している。マルティヌー(「ギリシャ受難劇」「ジュリエッタ」)、ヴァインベルク(「パサジェルカ」)、アンジェイ・チャイコフスキ(「ヴェニスの商人」)、ファッチョ(「ハムレット」)などはその白眉であろう。そのようなブレゲンツ音楽祭が、ゴルトシュミットの「ベアトリーチェ・チェンチ」に着目し、舞台にかけてくれたことは誠に嬉しい限りだ。
本作は、英国のオペラ作曲コンテストで優勝したにもかかわらず、約束されていた上演をコヴェントガーデンが拒否したことで40年近くお蔵入りした後、1988年に英国で演奏会形式で初演、1994年にマグデブルグで舞台初演されている。このドイツ初演がドイツ語上演であったかどうかは分からないが、今回の上演はドイツ語によるものである(上記、初録音は英語歌唱)。出版社のBoosey&Hawkesの本作品のページにはドイツ語台本の記載はないが、本ディスクの記載によると、ドイツ語版は作曲家本人の手になるもののようである(さらに演出家や指揮者らが改訂したらしい)。ディーリアスが「村のロメオとジュリエット」について本人と妻で独語・英語の双方の台本を作成したケースと同様に、上演の機会を増やすつもりであったのであろう。
「ベアトリーチェ・チェンチ」ほど陰惨なストーリーのオペラはない。実父に虐待を受け続けた末にレイプされたベアトリーチェが、やむなく殺し屋を手配するものの、殺し屋に自白され、教皇に助命を嘆願するものの聞き入れらず、処刑される。「ヴォツェック」よりも遣る瀬無い。「カルメル派修道女の対話」のように処刑シーンがカタルシスになるかというと、そうですらなく、フィナーレは、父親と昵懇であった枢機卿がベアトリーチェを形ばかり悼んでみせる空々しさ。「ルル」のように心から悼んでくれるゲシュヴィッツ役もいない。殺し屋を手配したベアトリーチェの恋人も、彼女を放置して早々に逐電する始末なので、「ノルマ」や「アンドレア・シェニエ」のような悲壮な二重唱が歌われる機会もない。
こんなストーリーだが、音楽は聴きごたえがある。作曲家曰く「真のベルカント・オペラ」様式とのことだが、確かにプッチーニさえ想起させることのあるメロディを、もっぱら後期ロマン派調で時折現代音楽風の音響が混ざる管弦楽が支えている。特に第1幕後半のチェンチ家の宴会の場などはこの様式が冴える。一方、第3幕のベアトリーチェの辞世のアリアでは軽めの伴奏で美しいメロディを活かしている。全体として、例えば1世代上のヒンデミットの衒学的な作風よりよほど通常のオペラ・ファンにも聞きやすい。
演奏も悪くない。25年前の上記初録音では、この時代の音楽に強いザグロセクが指揮し、サイモン・エステス、ロバータ・アレクサンダーら英語圏の有名歌手が出演していた(何とイアン・ボストリッジまで端役で登場)のに対し、今回のディスクではほぼ無名(単に私が知らないだけかも)の指揮者と歌手だが、作品の価値を知らしめるには十分、むしろそれ以上の出来栄えに思われる。悪役(父親)であるフランチェスコ・チェンチ役のクリストフ・ポールは、エステスのような声量で押すのではなく、非道な悪役とは言え、常にこの人物が爵位を持つ貴族であることを思い出させる歌唱で最も印象に残る。次いで、タイトルロールのギャル・ジェイムズも、多少容姿で損している気がしなくもないものの、尻上がりの熱演で共感を呼ぶ。指揮のヨハネス・デビュスは勢いで押すところがあるが、不満に思うほどでもない。総合的に見て、やはりオペラなのだから舞台が見られる今回のディスクが音のみのザグロセク盤よりも満足できるが、音だけ取り上げるとしても遜色ない。
舞台演出は酷評しているレビュアーの方もいらっしゃるが、私は楽しめた。最近のドイツのオペラハウスの舞台は、本当に訳が分らないものもあるが、今回のヨハネス・エラートによる演出は、ルネサンス時代の設定はほぼ無視されているもの、少なくとも台本に書かれていることから乖離はしていない。フランチェスコがあまり品の良くない衣装を着せられたり、ベアトリーチェが女性の横たわる裸体(死体?)入りのアクリル・ボックスみたいなものの上で歌わされたりするが、分かりやすい象徴的な意味付けがなされており、この辺りは趣味の問題であろう(むしろ分かりやすすぎて安易なのが問題か?)。オペラに新派劇的なリアリズムを求めないなら、むしろ面白がることができるのではないか。
演出は賛否両論あろうが、演奏は良いし、ゴルトシュミットのオペラの初映像というだけでなく、久しぶりの重要な新譜でもあるし、多くの人に薦めたい。
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Libretto vom Komponisten strukturiert auf der Basis von Martin Esslins Libretto. Werkkonzeption dieser Aufführung von Johannes Erath, Olaf A. Schmidt, Johannes Debus. Praktisch jedes Werk muss erst mal auf die Aufführungsbedingungen "modifiziert", interpretiert werden. Teil einer künstlerischen Interpretationsverantwortung vor jeder Aufführung, die ein Werk unter dem Aspekt von den Bearbeitungen der Aufführungsgeschichte, neu interpretieren.
Musik spätromantisch.
Opulente, beeindruckende Bühnenoptik, die atmosphärisch hautnah ist. Beklemmend düstere Interaktion, überzeugende Sänger-Darsteller. U.a.
Christoph Pohl als Cenci
Dshamila Kaiser als Gattin
Gal James als Tochter,
Per Bach Nissen als Kardinal,
Johannes Debus dirigiert.
Faszinierend die Regie und die Optik von Johannes Erath und Katrin Connan, Kostüme Katharina Tasch. Dazu eine glänzende Beleuchtungsumsetzung, magisch, düster.
Berthold Goldschmidt, ein in Vergessenheit geratener Komponist, von den Nazis vertrieben, hier erstmals auf DVD. Schüler von Schreker. Die Musik noch relativ eingängig.
Für Entdeckerseelen die Oper, die man gesehen haben sollte. Kritische Negativberichte in Presseorganen erschliessen sich mir nicht.