この作品、冒頭のトレンチコートの女性が道路を走り、無理やり主人公のマイク・ハマーの車を止めるシーンからググッと惹きこまれてしまう。死んだ女性からの手紙の中味が「remember me」と謎めいているところなんかも最高の設定だった。
その他のマイク・ハマーものに引き継がれるように、現れる女性とのエロティックなキスシーンと暴力シーンのハードさとのコラボも最高。
ほとんど女性の出てこないロバート・アルドリッチの後期の「特攻大作戦」や「北国の帝王」と異なり、男の色気と女の色気が上手くバランスが取れている。
ハードボイルドとしても、車修理工場でジャッキを外され殺されたり、車に爆弾を仕掛けられたる設定があったりとか、その後のサスペンスものでは定番になる。美人秘書との関係なども大人のムード満点で最近の子供化するアメリカ映画とおおいに異なりうれしい。
その後のハードボイルド作品に大きな影響を与える斬新な展開がたくさん盛り込まれていたのだろう。
しかし、マイク・ハマーに情報を与えている男や犯人たちの意図がわかりにくいこと、警察側の動きが中途半端なところにも難点はある。そして、当時は新しい「核」を扱ったテーマは、今となってみれば「小型原子炉?」、「核燃料?」を鞄に入れて保管しているという雑な扱いに「?」がついてしまう。
この辺は今の観る者の知識と当時の約50年のギャップとしてご愛嬌と思っておけば、ハードボイルドの原点ともいえる設定や展開、俯瞰映像とクローズアップの絶妙なバランス、音楽の使い方等魅力的な作品であることは間違いない。ヌーベルバーグの監督たちに大きな影響を与えた作品であることも納得できる。BD化は嬉しい。
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キッスで殺せ ロバート・アルドリッチ Blu-ray
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フォーマット | ワイドスクリーン, ブラック&ホワイト, モノ |
コントリビュータ | ラルフ・ミーカー, アルバート・デッカー, ポール・スチュワート, ニック・デニス, マキシン・クーパー, マリアン・カー, ファノ・ヘルナンデス, ジャック・エラム, ウェズリー・アディ, ギャビー・ロジャース, ジャック・ランバート, クロリス・リーチマン, ロバート・アルドリッチ 表示を増やす |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 46 分 |
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商品の説明
名匠ロバート・アルドリッチ監督(『北国の帝王』『カルフォルニア・ドールズ』)による、フィルム・ノワールの傑作!
原作はミッキ-・スピレインの小説「燃える接吻」。
初ブルーレイ化!
ある夜、私立探偵マイク・ハマーはクリスティナという女を自分の車に乗せたが、突然3人の男に襲われる。
意識を失ったマイク。気が付いた時には病院のベッドの上だった。
秘書のヴェルダによれば、クリスティナは死んだという。マイクはクリスティナの身辺を調査する。
やがて、事件に関わると思しき者たちに行き当たる…。
原作はミッキ-・スピレインの小説「燃える接吻」。
ロバート・アルドリッチ監督の頑強な演出による悪夢的な展開は、観る者を終始圧倒する。
カルト的人気を誇るフィルム・ノワールの傑作。
1955年 米国製作
映像特典:オリジナル予告編
封入特典:リーフレット/滝本誠(美術・映画・ミステリ評論家)による作品解説文収録
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- 言語 : 英語
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 160 g
- EAN : 4933672253299
- 監督 : ロバート・アルドリッチ
- メディア形式 : ワイドスクリーン, ブラック&ホワイト, モノ
- 時間 : 1 時間 46 分
- 発売日 : 2019/11/29
- 出演 : ラルフ・ミーカー, アルバート・デッカー, ポール・スチュワート, ファノ・ヘルナンデス, ウェズリー・アディ
- 字幕: : 日本語
- 販売元 : IVC,Ltd.(VC)(D)
- ASIN : B07X5GB86L
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 3,960位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 107位外国のミステリー・サスペンス映画
- - 294位外国のドラマ映画
- - 570位ブルーレイ 外国映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年9月29日に日本でレビュー済み
2022年9月25日に日本でレビュー済み
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『キッスで殺せ!』(Kiss Me Deadly)('55)
出演∶ラルフ·ミーカー、ギャビー·ロジャース、マキシン·クーパー、アルバート·デッカー、 クロリス·リーチマン、ポール·スチュワート、ジャック·イーラム、ストローザー·マーティン、ジャック·ランバート
監督∶ロバート·アルドリッチ
小学校時代からミステリー小説のファンだったが、ハードボイルド小説のジャンルには、あまり手を出さなかったので、さほど詳しくはない。
アメリカでは、ダシール·ハメット→レイモンド·チャンドラー→ロス·マクドナルド→ロバート·B·パーカーらの作家が、"正統派"ハードボイルドの系譜らしい。一方『キッスで殺せ!』の原作者ミッキー·スピレインは、ヴァイオレンスとエロチシズムを売りにした過激で通俗的なアクション·ハードボイルド小説で一世を風靡した作家。日本で言えば、大藪春彦か西村寿行あたりだろうか。
深夜の街道、トレンチコートに裸足の女(リーチマン)が何者かに追われているように必死の形相でひた走る! スポーツカーを駆る私立探偵マイク·ハマー(ミーカー)の前に飛び出した女をハマーは拾う。精神病院を脱走した女を捜索中という警察の検問に遭遇するが、謎の女をかばったハマーは、夫婦を装ってやり過ごす。
だが二人は突然現れた男たちに捕らえられ、女は拷問に遭って死に、ハマーは車ごと崖下に落とされてしまう。一命を取り留めたハマーを待っていたのは、警察の熾烈な追及と、謎の人物からの脅迫……という具合に、わけもわからないうちに観客を事件の渦中に一気に巻き込んでしまう"ツカミ"はバッチリである。
警察すらも何かを隠している様子に大きな陰謀の匂いを嗅ぎ取ったハマーは、秘書ヴェラ(クーパー)の協力で、自力で捜査を始める。そんなハマーの前に次々現れるのは、殺された女のルームメイト(ロジャース)、トラック運転手(マーティン)、ギャングのボス(スチュワート)、手下の殺し屋(イーラム&ランバート)、謎の医師(デッカー)ら一癖も二癖もある怪しい人物ばかり……。
1940〜50年代のフィルム·ノワールの傑作と言われるビリー·ワイルダー、ジョン·ヒューストン、ハワード·ホークス監督作やハンフリー·ボガート主演作は、シニカルでウィットに富んだ会話など、"オトナ"で"チョイ悪"な雰囲気を売りにしていたが、この映画は、"チョイ悪"どころか"極悪"である。そのうえ……
(※以下、ネタバレあり)
……事件の関係者たちが奪い合い、探し求めていたのが、厳重な密閉容器に入った"核物質"だったというブッ飛んだ真相に「オー、そうだったのか!」と素直に驚く人と、「現実離れし過ぎ」とシラケる人と真っ二つに割れるのではないだろうか。ハマーが容器のフタを開けかけると、隙間からまばゆい光が放射され、慌ててフタを閉じたハマーが手にヤケドを負う描写など、日本人の目にはあまりに"核"というものを軽く考えているように見えるのです。(被曝してるじゃんか!)
日本製娯楽映画の大傑作『太陽を盗んだ男』でも、主人公の学校教師(沢田研二)が、原発に侵入してプルトニウムを盗み出して手製の核爆弾を製造するが、あの映画の脚本を書いたのもアメリカ人でしたね。欧米人の"核"に対する理解度の低さにはビックリです。(アメリカでは、そんなに簡単に核物質が手に入るのか!?)
しかし、核の扱い方の安直さなどの問題点は置いておくとして、この映画、よくわからない要素をバラ撒きながらも、ハイ·テンポでスピーディな展開とハッタリで、見る者をグイグイとクライマックスまで引っばっていく力ワザは凄い。監督アルドリッチの力だろうか。
アルバート·デッカー、ジャック·イーラム、ジャック·ランバート、ストローザー·マーティンなど、のちに名作西部劇『ヴェラクルス』『ワイルドバンチ』などでお馴染みになるクセ者俳優たちが脇を固めているのも楽しい。
また、青春群像映画『ラスト·ショー』('71)でアカデミー助演女優賞を獲得し、ジョン·ミリアス監督のギャング映画『デリンジャー』('73)や、メル·ブルックス監督の『ヤング·フランケンシュタイン』('74)ほかのコメディ作品群で知られる"オバサン女優"クロリス·リーチマンの20代の頃の姿が見られるのも嬉しい。
出演∶ラルフ·ミーカー、ギャビー·ロジャース、マキシン·クーパー、アルバート·デッカー、 クロリス·リーチマン、ポール·スチュワート、ジャック·イーラム、ストローザー·マーティン、ジャック·ランバート
監督∶ロバート·アルドリッチ
小学校時代からミステリー小説のファンだったが、ハードボイルド小説のジャンルには、あまり手を出さなかったので、さほど詳しくはない。
アメリカでは、ダシール·ハメット→レイモンド·チャンドラー→ロス·マクドナルド→ロバート·B·パーカーらの作家が、"正統派"ハードボイルドの系譜らしい。一方『キッスで殺せ!』の原作者ミッキー·スピレインは、ヴァイオレンスとエロチシズムを売りにした過激で通俗的なアクション·ハードボイルド小説で一世を風靡した作家。日本で言えば、大藪春彦か西村寿行あたりだろうか。
深夜の街道、トレンチコートに裸足の女(リーチマン)が何者かに追われているように必死の形相でひた走る! スポーツカーを駆る私立探偵マイク·ハマー(ミーカー)の前に飛び出した女をハマーは拾う。精神病院を脱走した女を捜索中という警察の検問に遭遇するが、謎の女をかばったハマーは、夫婦を装ってやり過ごす。
だが二人は突然現れた男たちに捕らえられ、女は拷問に遭って死に、ハマーは車ごと崖下に落とされてしまう。一命を取り留めたハマーを待っていたのは、警察の熾烈な追及と、謎の人物からの脅迫……という具合に、わけもわからないうちに観客を事件の渦中に一気に巻き込んでしまう"ツカミ"はバッチリである。
警察すらも何かを隠している様子に大きな陰謀の匂いを嗅ぎ取ったハマーは、秘書ヴェラ(クーパー)の協力で、自力で捜査を始める。そんなハマーの前に次々現れるのは、殺された女のルームメイト(ロジャース)、トラック運転手(マーティン)、ギャングのボス(スチュワート)、手下の殺し屋(イーラム&ランバート)、謎の医師(デッカー)ら一癖も二癖もある怪しい人物ばかり……。
1940〜50年代のフィルム·ノワールの傑作と言われるビリー·ワイルダー、ジョン·ヒューストン、ハワード·ホークス監督作やハンフリー·ボガート主演作は、シニカルでウィットに富んだ会話など、"オトナ"で"チョイ悪"な雰囲気を売りにしていたが、この映画は、"チョイ悪"どころか"極悪"である。そのうえ……
(※以下、ネタバレあり)
……事件の関係者たちが奪い合い、探し求めていたのが、厳重な密閉容器に入った"核物質"だったというブッ飛んだ真相に「オー、そうだったのか!」と素直に驚く人と、「現実離れし過ぎ」とシラケる人と真っ二つに割れるのではないだろうか。ハマーが容器のフタを開けかけると、隙間からまばゆい光が放射され、慌ててフタを閉じたハマーが手にヤケドを負う描写など、日本人の目にはあまりに"核"というものを軽く考えているように見えるのです。(被曝してるじゃんか!)
日本製娯楽映画の大傑作『太陽を盗んだ男』でも、主人公の学校教師(沢田研二)が、原発に侵入してプルトニウムを盗み出して手製の核爆弾を製造するが、あの映画の脚本を書いたのもアメリカ人でしたね。欧米人の"核"に対する理解度の低さにはビックリです。(アメリカでは、そんなに簡単に核物質が手に入るのか!?)
しかし、核の扱い方の安直さなどの問題点は置いておくとして、この映画、よくわからない要素をバラ撒きながらも、ハイ·テンポでスピーディな展開とハッタリで、見る者をグイグイとクライマックスまで引っばっていく力ワザは凄い。監督アルドリッチの力だろうか。
アルバート·デッカー、ジャック·イーラム、ジャック·ランバート、ストローザー·マーティンなど、のちに名作西部劇『ヴェラクルス』『ワイルドバンチ』などでお馴染みになるクセ者俳優たちが脇を固めているのも楽しい。
また、青春群像映画『ラスト·ショー』('71)でアカデミー助演女優賞を獲得し、ジョン·ミリアス監督のギャング映画『デリンジャー』('73)や、メル·ブルックス監督の『ヤング·フランケンシュタイン』('74)ほかのコメディ作品群で知られる"オバサン女優"クロリス·リーチマンの20代の頃の姿が見られるのも嬉しい。
2019年9月29日に日本でレビュー済み
ロバート・オルドリッチ監督5作目、1955年の大傑作。一応ミッキー・スピレインの小説原作だが、オルドリッチ曰く題名だけもらって、本は投げ捨てたとのこと。赤狩り全盛期の時代に、反共主義作家のマッチョな探偵マイク・ハマーを、巨大な陰謀に首を突っ込んで謎を追う恐喝専門の無愛想な探偵に仕立てあげた。しかし、この作品が凄いのは何と言ってもその語り口だ。
例えば、ハマー達が何者かに捕らえられたシーン。朦朧となったハマーの顔、男たちの靴、物凄い女の絶叫、痙攣する女の足、ぎらりと光るペンチ。これだけで拷問シーンを描ききってしまう。全編がこんな感じで、ひたすら断片だけ見せてハッタリで突っ走る。そして裸足の謎の女のヒッチハイクから始まり、背景は曖昧なまま怒涛のスピードで観客を巻き込み、最後は文字通り「世界の終わり」に到達する。クリスティーナ・ロセッティ、マンハッタン計画、パンドラといった終末感漂うワードの仄めかしが禍々しい。と同時に、甲斐甲斐しいヴェルダ、いかついがちょっと間抜けなギャングたち、「ババ・ブーン!」といった忘れ難い脇役たちや、ハマーがサディスティックに男たちを痛め付けて尋問するシーンが物語にメリハリをつける。
雰囲気だけとか、こけおどしとかは、ノワールやサスペンスものへの貶し常套句だが、それらを極めて臨界点を突破してしまい、逆に作品自体が不気味に輝いてしまったような作品だ。台詞の情報の出し方の巧さと、説明を省いてハッタリを成立させる演出力が尋常ではない。この作品のガジェットを並べて組み合わせたような、デヴィッド・リンチの『ロスト・ハイウェイ』と比べても、その凄みを感じられるだろう。
不思議なのは、オルドリッチがこの方向には二度と進まなかったこと。この後も名作を何作も残しているが、どちらかといえば物語は明快で骨太な演出だ。彼の代表作と言われながら、他の作品からは浮いている。正にカルト的な魔力を持った、フィルムノワール史上に残る特異作だ。
例えば、ハマー達が何者かに捕らえられたシーン。朦朧となったハマーの顔、男たちの靴、物凄い女の絶叫、痙攣する女の足、ぎらりと光るペンチ。これだけで拷問シーンを描ききってしまう。全編がこんな感じで、ひたすら断片だけ見せてハッタリで突っ走る。そして裸足の謎の女のヒッチハイクから始まり、背景は曖昧なまま怒涛のスピードで観客を巻き込み、最後は文字通り「世界の終わり」に到達する。クリスティーナ・ロセッティ、マンハッタン計画、パンドラといった終末感漂うワードの仄めかしが禍々しい。と同時に、甲斐甲斐しいヴェルダ、いかついがちょっと間抜けなギャングたち、「ババ・ブーン!」といった忘れ難い脇役たちや、ハマーがサディスティックに男たちを痛め付けて尋問するシーンが物語にメリハリをつける。
雰囲気だけとか、こけおどしとかは、ノワールやサスペンスものへの貶し常套句だが、それらを極めて臨界点を突破してしまい、逆に作品自体が不気味に輝いてしまったような作品だ。台詞の情報の出し方の巧さと、説明を省いてハッタリを成立させる演出力が尋常ではない。この作品のガジェットを並べて組み合わせたような、デヴィッド・リンチの『ロスト・ハイウェイ』と比べても、その凄みを感じられるだろう。
不思議なのは、オルドリッチがこの方向には二度と進まなかったこと。この後も名作を何作も残しているが、どちらかといえば物語は明快で骨太な演出だ。彼の代表作と言われながら、他の作品からは浮いている。正にカルト的な魔力を持った、フィルムノワール史上に残る特異作だ。