伊の黄表紙犯罪冊子から命名された”ジャッロ(ジャーロ)“の生みの親、マリオ・バーヴァが1969年に撮った作品。
雰囲気的には初期ジャッロの傑作『モデル連続殺人!』とスラッシャー『血みどろの入り江』の中間地点に位置する印象です。
原作的にはアガサ・クリスティの某有名推理小説と画期的な化学式を巡る陰謀が有る様ですが見目麗しい男女が孤島で1人ずつ謎の死を遂げていく様子を美しく、あまり残酷にならずに描いた悪い大人のお伽噺的風情が堪りません。
特に僅かな瑕疵もない女性陣の美貌とキッチュで記号的な邪悪さには惚れ惚れます。
「ところでストーリーは?」と鑑賞後聴かれても困るかもしれませんが何故か得した気が致します。
繰り返される冷蔵庫のシークエンスが醸し出す奇妙なユーモアも強く印象に残ります。
俳優的には第1期の「ロイ・コルト&ウィンチェスター・ジャック」と被る男優も居ますが衣装・メイクが異なる為、指摘されるまでは気が付かない情景的な撮り方をしています。
美しい画質で観る方が間違いなく良い作品なのでこの度のBlu-rayによる再発は大歓迎です。
但し、一部縦線のノイズを観ることが出来たり、バーヴァ得意のグラスショットの粗が見えてしまう所も御座います。
ゴージャスな女優陣は180cm超の元貴族女優、イラ・(フォン)・フルステンブルグ、グラマー振りで他を圧倒する後のセックス・シンボル、エドウィージェ・フェネシュ、ボンド・ガール(女王陛下の007)のヘレナ・ロニー、等フランス、マルタ、オーストリア、ポーランドと今回も国籍豊かです。
後、ラウンジ・ジャズ風の素晴らしく軽快な音楽は名手ピエロ・ウミリアーニ。
映画本編は長年廃盤で今年ようやく邦盤がBlu-rayで再登場しましたが、サントラの方はウミリアーニ自身の人気も有るのでしょうがmp3でしたら直ぐAmazonでも聴けます。
60年代のモンド系には括りきれない楽しい聴いて心地良い音楽ですのでご興味がお有りの方はどうぞ。
評者はBOXで購入致しましたが映像特典はメニュー画面からチャプターと日本語字幕のON/OFFが選べるだけでした。
ファイブ・バンボーレ [Blu-ray]
仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
Blu-ray
"もう一度試してください。" | 2021年キャンペーン応募券封入 | ¥2,750 | ¥2,403 |
Blu-ray
"もう一度試してください。" | 2022年キャンペーン応募券封入 | ¥2,750 | — |
Blu-ray
"もう一度試してください。" | 通常版 |
—
| — | ¥3,298 |
今すぐ観る | レンタル | 購入 |
フォーマット | ワイドスクリーン, ドルビー, 色 |
コントリビュータ | マリオ・ディ・ナルディ, イラ・フルステンベルグ, ウィリアム・バーガー, アントニオ・リナルディ, マリオ・バーヴァ |
言語 | イタリア語 |
稼働時間 | 1 時間 21 分 |
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メーカーによる説明
【Amazon.co.jp限定】没後40年 マリオ・バーヴァ大回顧 第Ⅰ期 | 没後40年 マリオ・バーヴァ大回顧 第I期 [Blu-ray] | 【Amazon.co.jp限定】没後40年 マリオ・バーヴァ大回顧 第II期 | 没後40年マリオ・バーヴァ大回顧 第II期 [Blu-ray] | |
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価格 | — | ¥30,449¥30,449 | ¥31,680¥31,680 | ¥24,747¥24,747 |
形態 | Blu-ray7枚組 | Blu-ray7枚組 | Blu-ray6枚組 | Blu-ray6枚組 |
特典 | ビジュアルシート7枚セット+ステッカー | - | ビジュアルシート6枚セット+ステッカー | - |
商品説明 | 没後40年 イタリア恐怖映画界の至宝マリオ・バーヴァの名作がブルーレイで甦る 大回顧ブルーレイBOX第1弾 名作ホラー『血ぬられた墓標』、『ブラック・サバス/恐怖 三つの顔』『呪いの館』など1960年~1970年の7作品を国内初ブルーレイ化 | 没後40年 イタリア恐怖映画界の至宝マリオ・バーヴァの名作がブルーレイで甦る 大回顧ブルーレイBOX第1弾 名作ホラー『血ぬられた墓標』、『ブラック・サバス/恐怖 三つの顔』『呪いの館』など1960年~1970年の7作品を国内初ブルーレイ化 | 没後40年 イタリア恐怖映画界の至宝マリオ・バーヴァの名作がブルーレイで甦る 大回顧ブルーレイBOX第2弾 名作ホラー『血みどろの入江』、『新エクソシスト/死肉のダンス』『処刑男爵』など1970年~1975年の6作品を国内初ブルーレイ化 | 没後40年 イタリア恐怖映画界の至宝マリオ・バーヴァの名作がブルーレイで甦る 大回顧ブルーレイBOX第2弾 名作ホラー『血みどろの入江』、『新エクソシスト/死肉のダンス』『処刑男爵』など1970年~1975年の6作品を国内初ブルーレイ化 |
血ぬられた墓標 [Blu-ray] | ブラック・サバス/恐怖!三つの顔 [Blu-ray] | 呪いの館 [Blu-ray] | 知りすぎた少女 [Blu-ray] | ナイヴス・オブ・ザ・アベンジャーズ [Blu-ray] | |
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価格 | ¥4,863¥4,863 | — | — | — | ¥4,863¥4,863 |
形態 | Blu-ray | Blu-ray | Blu-ray | Blu-ray | Blu-ray |
商品説明 | ホラー映画界の名作中の名作。魔女裁判によって処刑されたアーサー姫が200年後甦る。モノクロ作品ながら陰影を強調した美しい撮影ながらグロテスクな描写の特殊効果が有名。 | トルストイ、チェーホフ、モーパッサンの短編3作品を原作にした「電話」「吸血鬼ブルダラック」「一滴の水」の3話からなる、映像美が素晴らしいホラー・オムニバス。 | マーティン・スコセッシがバーヴァの傑作と評価しているゴシック・ホラー。 屋敷に現れる少女の幽霊を描いたホラーでJホラーにも多大な影響を与えている。 | ダリオ・アルジェント監督『サスぺリア』に代表されるイタリアのスリラー映画のジャンルである”ジャッロ”映画の原点と言われるミステリー映画。 | 出演:キャメロン・ミッチェル ジャコモ・ロッシ=スチュワート 日本初紹介となる史劇。 |
ファイブ・バンボーレ [Blu-ray] | ロイ・コルト&ウィンチェスター・ジャック [Blu-ray] | 処刑男爵 [Blu-ray] | リサと悪魔 [Blu-ray] | |
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価格 | — | ¥4,863¥4,863 | ¥3,166¥3,166 | — |
形態 | Blu-ray | Blu-ray | Blu-ray | Blu-ray |
商品説明 | アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」をベースにしたサスペンス作品。 マリオ・バーヴァ本人は”最大の失敗作”と位置付ける作品。モダンな美術、音楽、撮影が光る一編。 | マリオ・バーヴァ監督のマカロニ・ウェスタン・コメディ。コミカル・ウェスタンの先駆け的作品。 | 『血ぬられた墓標』などに並ぶゴシックホラー作品。オーストリアのある町で"処刑男爵"よ恐れられた中世の暴君が蘇る。 | 『新エクソシスト/死肉のダンス』のオリジナルであるホラー映画。『処刑男爵』に続き、エルケ・ソマー主演。 |
血みどろの入江 [Blu-ray] | ラビッド・ドッグス [Blu-ray] | 新エクソシスト/死肉のダンス [Blu-ray] | フォー・タイムズ・ザット・ナイト [Blu-ray] | |
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価格 | — | — | — | — |
形態 | Blu-ray | Blu-ray | Blu-ray | Blu-ray |
商品説明 | マリオ・バーヴァ本人が唯一お気に入りと公言する傑作ホラー。全編血みどろで本格的スプラッターの元祖。ある資産家の入江で次々と人々が惨殺されていく壮絶スプラッター作品。 | 日本未公開の伝説の作品が遂に日本初公開! 壮絶バイオレンスで描く犯罪映画。人質を取った強盗トリオの殺戮の逃避行。 | カンヌ映画祭で大きな評価を得つつも配給先がなくお蔵入りになった傑作『リサと悪魔』に悪魔憑きシーンを追加撮影し、再編集した作品。 | 日本未公開のコメディ作品。 |
商品の説明
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- 言語 : イタリア語
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 80 g
- EAN : 4988003861865
- 監督 : マリオ・バーヴァ
- メディア形式 : ワイドスクリーン, ドルビー, 色
- 時間 : 1 時間 21 分
- 発売日 : 2020/6/10
- 出演 : ウィリアム・バーガー, イラ・フルステンベルグ
- 字幕: : 日本語
- 言語 : イタリア語 (Mono)
- 販売元 : キングレコード
- ASIN : B085F947XG
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 241,350位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 8,912位外国のミステリー・サスペンス映画
- - 12,987位ブルーレイ 外国映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中3.6つ
5つのうち3.6つ
8グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年7月2日に日本でレビュー済み
2021年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原題は長く、翻訳すると”8月の月のための5つの人形”みたいな意味がある様で、アガサクリスティの『そして誰もいなくなった』のテイストを感じますが、ストーリーはちょっと破綻している気がしました。
死体は殺害後よりも腐敗を防ぐための冷蔵庫へ収容されている透明な袋に入れて吊るされている描写はマリオ・バーヴァらしくちょっと怖いです。
バーヴァ自身が失敗作として公開を渋ってたようですがそれなりに観れましたが『血みどろの入り江』等を期待したら外れに感じるかもしれません。
死体は殺害後よりも腐敗を防ぐための冷蔵庫へ収容されている透明な袋に入れて吊るされている描写はマリオ・バーヴァらしくちょっと怖いです。
バーヴァ自身が失敗作として公開を渋ってたようですがそれなりに観れましたが『血みどろの入り江』等を期待したら外れに感じるかもしれません。
2022年4月25日に日本でレビュー済み
孤島での殺人鬼モノ風オシャレ映像集
正直、話的には全然おもしろくないし
展開もダラダラしてる
女の子と死体をオシャレ映像で楽しむだけの映画
正直、話的には全然おもしろくないし
展開もダラダラしてる
女の子と死体をオシャレ映像で楽しむだけの映画
2004年6月20日に日本でレビュー済み
新たな合成樹脂を生み出す画期的化学方程式を巡り、無人島に在る別荘で発生する連続殺人事件劇を描いたGiallo映画であり、William BergerやHaward Rossと云ったジャンル・ベテランたちの豪華共演作と云う点でも注目に値する作品ですが、個人的には一連の事件の鍵を握る美少女役の新人Ely Galleani(但し「Justine Gall」名義で出演)が最高に良いと思います。尚、この映画に関しては、自分の家族から「これ(本作)の出来は最悪だ」と批判されたMario Bava監督自身が自己批判の挙句に配給会社にまで圧力を掛けて公開を遅延させてしまったと云う有名なエピソードが付き纏っており、実際、本作はストーリー自体からは想像さえ出来ないほどダラダラとした脱力系の作風を最大の特徴とする風変わりな珍作に仕上がっています。
2023年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新型樹脂の構造式を完成させた教授とその妻が、知人の資産家の招待を受けて孤島の別荘へ赴く。そこには資産家のビジネス・パートナーらも招待されていたが、彼らの魂胆は、構造式の売却を強要するためだった。そのことを知って帰ろうとした教授たちは、乗ってきたヨットだけでなく、モーターボートも無線機も消えていることを知る。そして資産家の使用人が殺されるという事件が起きる。
『そして誰もいなくなった』を下敷きとしたストーリーと思しいが、マリオ・バーヴァの場合、そのことにあまりこだわっているとは思えない。それよりも、この映画を観はじめてまず感じることは、“享楽”や“頽廃”といったことではないだろうか。エドウィジュ・フェネシュのマリーが半裸で踊り狂い、それをたしなめるどころか煽るように魅入る男たち。妖艶な彼女を使って教授から構造式を引き出そうとする夫のニック(「黄金の七人」などのモーリス・ポリ)。しかも、殺害された使用人と妻の浮気さえ黙認するという異常者だ。マカロニで活躍したウィリアム・バーガー演じるフリッツ・ラルソン教授の妻イーラ・フォン・フュルステンベルクのトルッドは気の強いクール・ビューティで、ある意味あからさまなマリー以上にセクシャルでもある。トルッドはニックの仲間ジョージの妻ジルとは同性愛関係にあった。そして、彼女らが語り合う海岸で今度は教授が狙撃される。連続殺人の被害者たちが(自殺者も含め)次々と冷凍庫に吊られていくのも陰惨だが美しい。それから、もうひとり、エリー・ガッレアーニのイザベル。彼女は物語の周縁にいて、いつも中心で起きている一部始終を監視しているようだ。この女はいったい何者なのか?誰かが犯人だとわかってもそいつが殺されてしまいというのは多分に常套であり、ほぼ同時公開のダリオ・アルジェントのデビュー作「歓びの毒牙」に比べるとやや大味で繊細さに欠け、突き抜けるような面白さには乏しいかも知れないが、それでも空間設計の妙や色彩の魔術師ぶりは随所で楽しめ、観ているうちはしばしばバーヴァの術中にはまってニンマリとさせられる。自ら言う“最大の失敗作”という評言には惑わされないほうがいい。
『そして誰もいなくなった』を下敷きとしたストーリーと思しいが、マリオ・バーヴァの場合、そのことにあまりこだわっているとは思えない。それよりも、この映画を観はじめてまず感じることは、“享楽”や“頽廃”といったことではないだろうか。エドウィジュ・フェネシュのマリーが半裸で踊り狂い、それをたしなめるどころか煽るように魅入る男たち。妖艶な彼女を使って教授から構造式を引き出そうとする夫のニック(「黄金の七人」などのモーリス・ポリ)。しかも、殺害された使用人と妻の浮気さえ黙認するという異常者だ。マカロニで活躍したウィリアム・バーガー演じるフリッツ・ラルソン教授の妻イーラ・フォン・フュルステンベルクのトルッドは気の強いクール・ビューティで、ある意味あからさまなマリー以上にセクシャルでもある。トルッドはニックの仲間ジョージの妻ジルとは同性愛関係にあった。そして、彼女らが語り合う海岸で今度は教授が狙撃される。連続殺人の被害者たちが(自殺者も含め)次々と冷凍庫に吊られていくのも陰惨だが美しい。それから、もうひとり、エリー・ガッレアーニのイザベル。彼女は物語の周縁にいて、いつも中心で起きている一部始終を監視しているようだ。この女はいったい何者なのか?誰かが犯人だとわかってもそいつが殺されてしまいというのは多分に常套であり、ほぼ同時公開のダリオ・アルジェントのデビュー作「歓びの毒牙」に比べるとやや大味で繊細さに欠け、突き抜けるような面白さには乏しいかも知れないが、それでも空間設計の妙や色彩の魔術師ぶりは随所で楽しめ、観ているうちはしばしばバーヴァの術中にはまってニンマリとさせられる。自ら言う“最大の失敗作”という評言には惑わされないほうがいい。